
南御堂真宗大谷派難波別院「毎月の言葉」より
「続・伝える心の大切さ」
2021年1月
テレビをつければ、「インスタ映え」する食べ物の特集や大食いの番組が流れている。片や世界では、飢餓で苦しむ人々の姿が映っている。一体どちらが真実か——。どちらも本当の姿なのだろう。
「米の一粒の中には、無限のご先祖様の命を賜っている」という言葉がある。私たちのお祖父さん、お祖母さん、そのまた上の世代が、子や孫に伝え聞かせてきたものだ。私たち現代人は、今ここに在ることを当たり前のように生きているが、食べ物に限らず、あらゆるものによって日々生かされている。本当のことを伝え、身を以て導くことが仏教の教えである。
