
南御堂真宗大谷派難波別院
「毎月の言葉」より
「心の道しるべ」
2023年8月
「失敗したくない」という想いは誰しも持っている。特に現代社会においては、問題と向き合わず、責任から逃れようとする傾向が強まっているように感じる。我々人間は、つい苦しみを避けて楽を求めてしまうが、「失敗は成功のもと」といわれるよう、失敗も生きる上では必要であり、自分自身の心の持ちようが何事においても大切である。「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は、仏教の『自利利他円満』の精神を大事にした。自分が無心になって一生懸命やっていることが周りのためになり、巡り廻って自分のためになるのである。失敗か成功かにかかわらず、肝心なのはまず身を以て行動し、経験することだ。自分が今何をすべきなのかと、もう一歩身心を進めて真剣に問題と向き合った時、そこにはちゃんと歩むべき道が仏さまから用意されている。
