南御堂真宗大谷派難波別院「毎月の言葉」より
「不思議な世界に生きている」
2022年1月
「なんでお金持ちに生まれなかったのか」、「もっと見た目が良かったらなぁ」と、世の中が豊かになっても人の悩みは尽きない。時代が変わり、自由に選べるものがある一方、親や家族、容姿など選べないものもあり、ある意味で自分というものは限定されている。私たちが今を生きているのは、仏さまが自分という存在を必要とされたからである。物事には因があり、縁が働いて結果が生じる。人生は、縁、すなわちめぐりあいの連続である。皆、嫌な事や嫌いな人から逃げようとしたり、自分に都合よく持っていこうと画策するが、どうしても避けられないこともある。仏さまは、自分が置かれた場所に「立つ」ことを説かれている。仏さまからいただいたご縁に感謝し、すべてのめぐりあいの不思議に手を合わせていきたい。